歌うたいのバラッド

CDSSTBのまとめというか感想を。かなり妄想風味(笑)
まず一番印象に残ってるのが、幸せそうに歌ってる吉澤さんの顔なんだよね。本当に本当に楽しそうに一つ一つの歌を歌ってた。それ見れただけでも自分としては行った甲斐があったっていうか、今まで見て来て良かったと思ったよ。
吉澤さんの言うところの「太ってた」時期、仲間の列からちょっと離れ、冷めた目をしてこちらを眺めてるようなことが続いていた訳だけども、その吉澤さんが何て明るくオープンに音楽に身を任せてることか。その事実にまずぐっと来る。
そして、その根底にあるのがおそらく、人に楽しんでもらおう、人と一緒に楽しもう、という意識だっていうのも嬉しい。元々、そういう意識の高い人だけども、今回ぐらい素直に何の気取りもなく前面に押し出してたのはなかったんじゃないかな。変な話、気持ち的にこちらへダイブするぐらいの真っ直ぐさだったよ。ちょっとこちらが面食らってしまったぐらいさ(笑)
なんて言うんだろ、こちらとあちらが限りなくフラットに近いってのかな、音楽っておいしいものを一緒に頂く仲間、みたいな感じなんだよ。勿論、歌い手としてお客さんに楽しんでもらおうという意識はあるんだよ、でも、それ以上にいい歌を前にすれば自分もお客さんも同じっていうかさ、こんな美味しいものがあるんだって共に味わいたい、みたいな気持ちを感じるんだよね。
給食って吉澤さんは言ったけど、ほんとそういう感じ。上から目線じゃないの。もうさ、歌い手さんとかバンドとか聞き手とかの区別があんまなくなっていくのね、気持ちのよい一体感。気がついたら、吉澤さんに乗せられて、ぷかぷか雲みたいに浮かんでる気分。
いやー、前に吉澤さんのことを究極の巻き込み型だって書いたけど、今回でその理由の片鱗に触れた気がするね。巻き込まれるのが楽しいんだよな。むしろ、進んで巻き込まれたいっていうかさ(笑)
んで、何で今回そういうことをいつもより感じたかなと考えてみたところ、やっぱ吉澤さんが殊の外素直にそこに立ってたからかなあと。ほら、吉澤さんてもっそ照れ屋でええかっこしいのとこあるから、つい捻ってしまうとこあるじゃない、何事も。今回だってCDSだって言うのに、いきなりTシャツにベストのロック風味だったじゃん。フルバンドだしさ。
でも、選曲や格好は捻ってたけど、そこに立ってる吉澤さんは実に素直だったんだよ。照れ臭い時はほんと照れ臭い顔するし、自分で言って自分でふはって笑ってるし、言ってて照れくさい時はかなり早口で、ギター弾く前は緊張するあまり饒舌、安室さんと歌うたいが終わった後はちょっとホッとした顔をして。何か普段はこんなんかなって部分をちょっと垣間見せてもらった気がする。して、そいつがまた飛びきり女の子で、可愛らしい人だったので参った。わたわしてる吉澤さんなんてそう見れないもんな。
じゃあ、何でそうも素直だったのかなともう一歩妄想を進めてみると、まず単純に今度のイベントがすんごく嬉しかったんだろうなってこと。ソロのイベント、しかも歌が主役のライブなんて自分には回ってこないんじゃないかって思ってたとこあると思うんだよね。いや、漠然とだけど。
それが今回東京大阪2日間もやれて、その上、割りと自分の思うようにやれたってのは凄く大きかったと思うんだよ。他の誰かとやる時はそちらに合わせるというか、全体のことを考えて引いてしまうとこあったと思うし。好きな曲をピックアップして、どういう順番で、どういう風な表現にしてくか、というようなことを、自分とバンドさんとで作り上げていけたってのは、やっぱ気持ちよかったろうし、改めて歌うということを見直す機会にもなったんじゃないかなあ。ギターを習うことも含めて。
して、またそれをあんなにぎゅうぎゅうになるくらいのお客さんが見に来てくれたことが嬉しかったってのはあると思う。ソロってことは、紛れもなく自分を見に来てくれたお客さんな訳だからさ。しかも、もう皆すっげーいい笑顔で見てる訳だよ。それはもう嬉しくない訳がないし、これほど有り難いことはないと思ったんじゃないかしら。もっそリアクションいいんだもの、自分も含めてさw
でもって、最後にこれは完全に妄想だけど、歌への感謝があったんじゃないかなって思う。なんて言うか、歌があったからこそ、今ここにご機嫌なヲタさんを前に立ってられる、みたいなね。
あのさ、最初に書いたいわゆるあの頃、吉澤さんがもう一度立ち上がるきっかけになったものの一つに、きっと歌があった、と自分は思ってるんだよね。勿論、いい連れが出来て、自分を支えてくれてる家族の気持ちに気づいたり、ひょっとして好きな人が出来たりしたってこともあったと思う。フットサルっていうか、ガッタスの存在も大きかったろうしさ。まあ、それより何より吉澤さん自身が変わりたいと思っていたから、それらに気づくことが出来たし、積極的に関われるようになっていったんだと思うしね。
でも、その元の元、一番単純で動かせない気持ちの中に歌が好きって気持ちがあったんじゃないかな。色々冷めてしまったり、ひねくれて星をにらんだ時があったかも知れないけど、そんな中で、だからこそ気づいたというか。
どんなに自分から目を背けても、いや、背けていたからこそ、そんな単純な気持ちに気づいた時に、何かすとんと胸に落ちるものがあったんじゃないかと思うんだよ。
もっと、歌いたい、って単純な気持ちにさ。なったんじゃないかと思うんだよ。
で、今回ソロでライブをやれることになって、そういう気持ちにさせてくれた歌に感謝を込めて、選曲やら何やらしたんじゃないかと思うんだよね。原宿というか3rdは自分達四期の始まりの歌だし、安室さんは歌を好きになった原点、ダディは娘。で好きな曲。で、ミスムンとその出会いには言わずもがなで、吉澤さんの転機になった曲。
して、DINは某mさんも言ってたけど、あの当時の娘。さん達にとって特別な意味を持つ曲なんだよな。それぞれ思ってる気持ちは違うのかも知れないけど、あれを歌うっていうことは一つの決心と言うか区切りをつけるって意味があるっていうか。
それプラス吉澤さんには、あの当時、好きだったのに思うように歌えなかった曲ってのがあったんじゃないかな。自分が俯いてたばっかりにちゃんと歌えなかったっていうかさ。だから、ソロでやれるってなった時、ちゃんと歌おうと思ったんじゃないかしら。こんな風に自分も歌えるようになったんだよって。
なので、上手く歌おうとか、格好よく見せようと言う前に、ただ歌が好きって原点に立ち返って、お客さんと一緒に楽しもうってなったんじゃないかって気がする。構えることなくすっくとそこに立ってたんじゃないかと。
そういう意味で、歌うたいのバラッドにこの時期に出会えたのは、いい巡り合わせだったなあって思うんだよね。何かあの日のライブの気分を語るのに、この曲一つで良いかなって思う。拙いギターをかき鳴らし、懸命に言葉と紡ぐ吉澤さんが全てって気がするんだよね。何て言うのか、
吉澤ひとみという歌うたいがここに居るんだよ。
そして、ぼくらを乗せてメロディーは続くんだよ。
そんな所信表明をさり気なくしたんじゃないかなあ。それこそ、大上段に構えるんじゃなくて、ごく当たり前に手を伸ばして掴んだらそれだったみたいに。
そういう妄想が湧くほど、幸せそうな顔をしてたんだよな。多分、卒業してからこっち、もの凄く頑張ったご褒美ってのもあったんだろうけど、事務所もたまには粋なことをしてくれる。吉澤さん、これで気分よくもう一回スタート切れるんじゃないかな。色んな肩書きやら看板やらを彼女は背負ってるけれど、実際のとこ、ただの歌好き、歌うたいだというね。
そして、そういう吉澤さんを自分はこれからも見ていたいなあと。改めてそう思えたライブでした。ええ、エレキギターでもドラムでも何でもやればいいさ。ちょっとくらいのヘタレなら、喜んで頂きますとも。というか、ごちそうだよね。吉澤さんがするならさ(笑)