本当の音

上ではああいってますけど、最近気づいたこと。うーん、これ書くとちょっと吉ヲタさん達に叱られそう。
でも、まあ、今現在の話なんで。
去年のG-emoとこないだのRockですよ!を見たとき感じたのは、ごっちんが“ごっちんの音”を見つけたなあってこと。
こう、それまでだってごっちんごっちんだったんだけど、なまじ何でも出来てしまう(それも多分、作ってる側が思うような形か、それ以上の形で作っちゃえる)ために、見えなくなってた部分があると思うんだよ。
ごっちん自身も自分はどうしたいのか、どうしたらそうなれるのか、迷ってた気がするし。全く目指す形が見えてないんじゃなくて、形は見えてるのに、そこに至る道が分からない感じかな。まあ、道ったってはっきりと分かるような道がある訳じゃないし、それ一本じゃない。多分、ごっちんからすれば、何本も道筋が見えたろうし、それが本当に自分の道なのか判断できなかったってのはあるんだろうな。
それがあのツアー大ラスの大阪では、びしっと決まってたんだよね。何だろう、覚悟を決めたっつうのかな、これが“後藤真希の歌”なんだってものが真ん中にあったんだな。散々色々迷って、もがいたけれど、それだからこそ掴み得た“芯”というかね。何かこれからどんな歌が来ようと、どんな無茶なものを要求されようと、ごっちんごっちんでいられるんじゃないかと思わせるような、それぐらいしっかりとした根がごっちんの中に張ったような気がする。
で、だ。我らが吉澤ひとみはどうかと言うと、これが難しい。まずね、今現在の吉澤ひとみが、というより、こちらが見ている吉澤ひとみが、100%の吉澤ひとみなのか、というのがある。
いや、確かにね、ライブでの吉澤さんを見てるとすげーなとは思うんだけど、あれで吉澤ひとみの全てか?と言われたら、やっぱり首を傾げたくなっちゃうんだよな。
何かさ、まだどこか抑え気味にやってる気がするんだよ。まあ、グループの責任ある立場にいる訳だから、それが当たり前なのかも知れないけど、常にグループのバランスを見て動いてると言うかね。
まあ、吉澤さんの場合、何をどうやったってグループの中に完全に混じり込むっていうのが無理なので、出力を抑え気味にしてどうにか足並みを揃えてる感じなんだよな。
これはまあ、実力的に一枚上の藤本さん・高橋さん辺りも微妙にやってることだけど、もう一つ今となっては吉澤さんにしか出来ないことがあるのよ。
それは裏方に徹すると言うこと。本当にぱっと見て分かりにくいとこでのフォローは涙ぐましいものがある。よくあれだけ動きながら歌ったり、会場全体を見てて盛り上げたり出来るなって思うよ。いやあ、ヲタの皆さんの評価は低いけどね(笑)メインを張ってる子達が気持ち良く歌えるのは、そういうフォローがあってこそなのよ、と言ってみたりして。
ま、そんな訳でね、今、吉澤さんが吉澤さんとしてどれだけ表現出来てるかと言えば、やっぱり?ってなるんだよね。結構モーニング娘。であるという括りは、こちらが思っている以上に、吉澤さんにとってキツい縛りなのかもなあと。
何か吉里DSとかさ、まあそんな古い話でなくても、去年の夏のワンダとかでもさ、娘。という括りのないときの吉澤さんには毎回驚かされるんだよね。ああ、この人はこういう風に歌うことも出来るんだって。
特に、リボンでは正直びっくりした。CDを聞いた時にはこりゃ藤本さん相手に分が悪いかなって思ってたんだけど、何の何の、蓋開けてみりゃいい線いってる。本当にこの人は“生”の人なんだって思ったね。
と、同時にこの人はいつもは“本当の音”を響かせてるんだろうかと疑問に思った。こう、自分でも言葉では絶賛しつつも、どこかしら腑に落ちない感覚があって、なんでだろうと思ってたんだけど、原因はそこにあったんだね。
つまり、いつもこうやって楽しそうに歌ったりしてるけれど、またそれをこっちはこの上なく楽しんでいるけれど、これはこの人の本当の“声”なんだろうか、というような根本的な問いが、意識には上らなくてもずっと頭の端っこにあって、引っかかり続けてたんだな。
で、それ踏まえた上で最初の疑問に立ち返る。じゃあ、吉澤ひとみは“吉澤ひとみの歌”ってものを見つけたのだろうか、と。
これ、案外とね、私はまだなんじゃないかと思う。
確かに吉澤さんには“吉澤ひとみのスタイル”としか言えないものがあるよ。あの歌の世界に対する入っていき方、そこでの自分の存在の立て方、って言うのは、ちょっと他の人は真似出来ないと思う。
でも、これが私の歌なんだ!って吉澤さんが思うような“歌”に、まだ会ってない気がするんだな。いや、ひょっとしたら、あるのかも知れないけど、こちらに向かって十分には響かせてない気がする。
まあ今までは、そう言う機会があまりなかったということもあるんだろうけどさ。もうじき、否が応でも己の力だけで立たなきゃいけない時が来るじゃん。
だから、もし、まだ“吉澤ひとみの歌”っていうのが見つかってないなら、ぜひこの機会に見つけて貰いたいんだな。いや、もうそれは見つかってるんだっていうなら、思う存分その音を、思うままに響かせて貰いたい。
いずれにしろ、私はそういう風に歌ってる吉澤ひとみを見てみたいと思うよ。モーニング娘。吉澤ひとみではない、吉澤ひとみの本気。そういうのを感じてみたい。
何か、きっと思いがけないものが出来上がると思うんだよなあ。