チェンジ・ザ・ワールド

まずはあの構成考えた人、乙。限られた時間の中で、今出来るだけのいいものを作ろうという意思を感じたっす。
して、あのハイピッチの中、最後まで歌い踊り倒した娘。に乙。いや、すげーわ、本当に嘘偽りなく、2時間足らず、ノンストップ。かなりタイトな時間割をそれと感じさせずやり切っちゃうのはやっぱ娘。だよね。
で、全体を通して感じたのが、タイトル通り、世界が変わったということ。去年秋見た時にはまだあやふやだったものが、かちっと形になった印象。
娘。は止まらない。娘。は変わっていく。それはもうこちらが切なかったり、寂しかったり、痛かったりしても、それを振り切るように進んでいく。
でも、それでこそ娘。だと思う。彼女達の中に大事なものがあればいい。モーニング娘。であることっていうのは、楽しいけれど過酷なことなのだ。
この一見無茶な試しみをクリアしたとき、また彼女達の中で変わるものがあるんじゃないか。
そして、それを持って挑む次の試しみに期待したい。彼女達が作った世界を見てみたい。そう思わせるものがそこにはありました。
以下、各人感想。かなり偏りあり。キツい言葉もあるかも。
・高橋さん
いい表情してると思う。なんと言うか腹が座ったというか、覚悟が決まったという感じ。特別前に出る訳ではないが、彼女が居ることで自然とまとまっていくようだ。ミスムンをやってたけど、まさにアレがいまの娘。の形。
スキルの方は高止まり。娘。初期のコーラスワークはほぼ高橋さんとガキさん、亀ぐらいでさばいてんじゃないかな。中でも高橋さんは細かい変化をつけられるため、かなり複雑なことをやらされてる気がする。マジお疲れさま。しかし、高橋さんのハモいいなあ。愛ガキがハモやってると落ち着く。今回、れーなと組むことが多い訳だが、真っ直ぐで強いれーなの声も高橋さんが絡むと丸くなる。後、ソロで思ったのは、この人はもっと成り切って歌えるものの方が生きるんじゃないかということ。ちょっとそれを楽しんでる風なとことを見受けたので。今回は“個”としての高橋さんのやりたい方向も感じられたので、そっちもがしっと捕まえて欲しいなと。
ガキさん
とにかく元気そうに見えた。お、何か激しいなと思ったら、ガキさんだったことが何回か。して、上にも書いたけど、ガキさんの声聞くとホッとする。声が重なるって気持ちいいね。初期娘。の持ってたほわっとした雰囲気を今一番持ってるのはガキさんかも知れない。モーコーとかあの辺の曲を歌う時の素直に出してる声が好き。ダンススキルも地味に上がってる。きっと無意識に亀ちゃんに刺激されてる部分があるんじゃないかな。二人が並んでる時の独特のあの空気。2列目でチームを実質抑えてるのはこの二人+重さんだと思う。マンパの吉パートもまた全然違って面白い。愛ガキならではの絡みと言いますか。全体的にこのリーダー・サブリーダーの細やかさと突き放し加減が今の娘。の空気感を作ってると思います。でも、ガキさんももっと自分に欲張りになってもいいと思うな。やりたい方向性とか追ってもいい。娘。じゃない自分もあっていいんじゃないかな。
・亀ちゃん
今回歌でもダンスでも亀ちゃんを結構基本において考えてある気がする。ある意味、いい身体つき(笑)して、エロい。さゆえりを使わないってのはもったいない感じ。歌は特に亀ちゃんで厚みを作る方向だと思う。さりげなく裏メインというか。今までみたいな飛び道具扱いじゃなく、中堅だな。で、集団で歌ってるときとソロでは明らかに空気が違うのが面白かった。やっぱ歌に関する表現力では一歩出てると思うな。歌を自分のものとして歌うという点において。ただ、選曲がなあ。自分的にはれーなと入れ替わりでも面白かったと思う。ガキさんがほわっと担当なら、亀ちゃんは切なさ担当だもんな。
ダンスはやっぱ亀ちゃんの存在感はおいしい。細身な人が多い中、こうやっぱ存在が生々しい。無造作に伸ばした感じの髪が頭を振るたび顔にかかって、ほんとエロい(笑)後、今の娘。のリズムは亀ちゃんが握ってるな。彼女が得意そうな曲の時はぐんと前に出てくる感じ。シャボン玉なんかはちょっと一人だけ別世界。ただ、まだ周りを巻き込むまでにはいってないかな。亀ちゃんがあの圧縮された空気のまま、周りを巻き込めば、また娘。の空気が変わってくると思う。亀ちゃん的にもコンサートそのものを牛耳れる存在になっていけるかとどうかの瀬戸際って感じ。後は自覚って気がするな。
・れーな
地味に娘。内での在り方が変わって来てるなと。まあ、メインなのは変わらないけど、密かに支える方へとシフトしてる部分もあるというか。今までより全体での調和を考えて歌ってるんじゃないかな。あと、ソロの部分ではあの曲を一人で生で歌うことで、今までより一歩歌に踏み込んで歌っている印象がある。ま、そうしないと成り立たない曲だけどもね(苦笑)そういう意味では今までのれーなの歌に対する当りとは違う感じ。歌を自分の気持ちや想像で膨らませるという作業をしてる。あえてそこはしないことでやってきた感のあるれーなだけど、今回はそうもいかなかったのか。何にしろこれから大人の曲を歌っていくには、その曲に込められた感情を伝えるような歌い方も出来た方が良いと思う。聞き手がそれを聞いて気持ちを揺らすような。それを考えるとソロ曲にあれを持って来た意味もあるというもの。まあ、前に歌ったことがあるってのも大きいかも知れないが、今の自分にプラスαするような一種のチャレンジになるんじゃないかな。亀ちゃんのソロと同じ。あれはふわっと曲をそのまま差し出すような歌い方をした方が良い曲で、亀ちゃんは逆にそういう歌い方苦手だと思うから。
ダンスはね、あの身体で最後までよく保つなと思った。だって細いんだもん。まあ、歌のパートが多い分、いくらか止まってる時間が長いとはいえ、タフだなあと。
・さゆ
歌でもダンスでもフックが利いてると思う。そして、こちらもいい身体つき(爆)背もあるから、動くとすごい。結構ね、いいグルーブ感がある。何か見ててあののめり具合が気持ちいいんだよね。さゆも無心に踊ってる時気持ちいいんじゃないかなあ。今回ダンスでは集団の要の位置に入ることがあるのも分かる気がする。もうさ、もっと奔放に踊ってもいいんじゃないの。もったいない。亀ちゃんぐらい己の道をいってもいいよ。あ、でも、動きのおかしさ(良い意味で)は残しといて欲しいかな。
歌はふるさとにつきる。すごく大事に歌ってるのが分かる。この歌好きなんじゃないかな。何だか素で歌うの照れくさそうだけど(笑)歌い終わったあとのはにかみ笑いは卑怯wにしても、はじめて道重さゆみの歌の世界に触れた気分。さゆっピンクやってる時よりも自分的には好き。とてもふわふわとしていて、安直に弄ったら壊れそうなやわい世界なので、そっとさゆがその世界を伸ばしていけたらいい。ああいうゆったりと語るような曲の方が合ってんのかもな。それにはそれなりの努力はしなくちゃね。やっぱソロは挑戦シリーズ。
・小春
高橋-田中ラインに加えられた一本。存在としてカウンター。正統派に対しての個性派。そういう役割を与えられることで、娘。の中ではっきりとしたポジションについた感じ。別ユニットに参加したおかげかな。去年秋頃感じたちょっと浮いた感じは緩和されてた。娘。が小春を受け入れたというべきか。小春が個として輝きながらも、娘。として在れるように進歩したというべきか。まあ、元々個性を発揮するには不向きなSLではあるんだけどね。でも、相変わらず一人だけ表情が違う。凄く表情豊か。常に見られてる意識が高いというか、お客さんを楽しませよう、自分を魅せようという意識がある。基本エンターテイナー向きだよなあ。挑発的。どうしてもそっちへ目がいく。いやあ、動きなんかやっぱ変わらずどっか変なんだけどね。それも一つの味になってるというか。間の動きはぬるいのに、決めるとこめちゃ決めるとか面白いよな。歌にしても、ダンスにしても、自分の表現としてのそれなので、あまりキツキツ考えなくても良いが、もうちょい基本スキルは洗い直した方が良いかも。ああ、そう言えば、歌、ひょっとして声変わりした?今まで苦労してた歌い回しをさりげなく歌えるようになってた気がするんだけど。うーん、もうちょい長いフレーズ歌ってくれないと分かんないなあ。とにかく、意識は今のを進めていく感じで、後は身体の成長にあわせてスキルアップってとこか。変に丸くならないで欲しい。
・みっつぃー
密かにダンスのスキルが上がってる。ちゃんとリズム刻めるようになった。あと、ぐっと表情が大人っぽくなった気がする。この辺は小春に対するカウンターというか。ここの同い年ラインもこっそり面白い。この子も小春とは違う意味であんまり弄らない方がいいような気がする。なまじ周りに合わせられる分、回り道しそう。特に歌は普通に歌った方が多分上手い。変な癖をつけないであげて欲しい。確かに彼女が持つ雰囲気を今の娘。にどう含めるべきかは考えどころだけど、タイトになりがちな空気を変える、あるいはちょっとリズムを変える存在として活かしていく方向でお願いします。今となっては、貴重な関西系なので。
何といってもまだ未知数。成長する身体にまだ表現がついていってない感じ。同期や直近の人のことを考えると、コーラスワークだとか、移動部隊であるとかは彼女が支えなきゃならなくなっていくとは思うので、そういうとこはリーダーやサブリーダーから盗め。特に声を誰かと重ねる楽しさとか、歌を皆で歌を作っていく面白さとかは感じといてほしいな。今のSLはそういうことを彼女達の世代に伝えるためにもある訳だからさ。きっと未来の職人候補。小春と微妙に競り合いながら、マイペースで頑張って欲しいなと。
・ジュンジュン、リンリン
うーん、もっと上手い使い方ないのかなあ。まあ、彼女達がいるから出来るSLかも知れないのだけど。地味に彼女達が集団の底で支えてる気がするよ。特にジュンジュン。リズム感も悪くないし、動きも大きいから前に出てくると目立つ。リンリンは動きが正確なイメージ。ただ、彼女達がどうやってこのSLを覚えたのかは気になる。この極めてニホン的なメンタリティを少しでも感じて歌っているのだろうか。ダンスはまだそういう情緒的な部分を置いておけるけど、歌はなあ。歌詞の意味は分かっても、シンパシーを感じるかはまた別の話だしね。いやあ、娘。に馴染んだなあと思う分、その辺のとこがどうなってんのか気になってさ。今回大変なSLだったから、各人の現状ってのがちらりとかいま見れた訳だけど、今イチ二人については分かり難かったんだよね。括りとしては7、8期で一括りだったんだけど、どうなんだろ。全体を見た時に違和感がなければない程、そういうことを思ったりする。少なくとも歌やダンスでもうちょい彼女達らしい見せ場があってもいいんじゃないか。いや、みっつぃーも含めてさ。

・まとめ
まあ、好きなこと書きましたが、今は今でいいチームだと思います。若干、情緒面が置いてけぼりかなとも思いますが、時間がないからかも知れず、各個人を区切って見ればそう言う部分の切れ端を掴んでるんではないかと思うので、是非このメンバーで歌った歌だけで組んだSLを見てみたいっす。夏のミュージカルでもう一皮向けるとどうなるかそれも見物かと。
あと、ひょっとすると、こういう方向で煮込んでいけば、今までにないスタイリッシュな娘。が見られるかも。必要な部分だけを残し、テクニックとスピードで魅せるという、実に中心となる人たちらしい集団になっていくというか。高橋愛が作る娘。の形としてはそっちの方が正当進化かも知れん。質実剛健で本格派という感じ。まあ、それにはもっと体力と筋肉とスキルのアップがいるかも知れないけど。そういう形の娘。も長い歴史の中あってもいいんじゃないかな。
ま、海外公演もあることだし、次見る時にはまた違う娘。になってんじゃないかなあと思います。はい。