きるみーきすみー 

久しぶりっす。感想っす。長いよ、毒あり。気になる人だけどぞ。
これ、あれだな、ブランド側っちゅうか、デザイナーの人のディレクションがかなり強いのな。てか、こっち側としてはまじで素材の提供って感じな気がする。二人を差し出すから良いように料理してくれってとこじゃないかしら。
んー、何か音楽面ではちゃんと全体を見てプロデュースする人はいるんだけども、アルバムのコンセプトっちゅうか目指す方向ってのは作る前からある程度示されてたっぽい感じがするんだよね。まあ、実際はそんな専門的なことじゃなくて、いしかーさん似の人のイメージはこうで、よしざーさん似の人のイメージはこう、それで二人にはこういう風にやってもらいたいんだ、っていう感触のようなものかもしれないけど、でもそういう割と具体的な“絵”っちゅうんですかね、そういうのを出して、プロの人に作ってもらった感じなんじゃないかな。
だからまあ、原曲が出来た時点ではもうちょいはっきりとパンクよりだったりVよりだったりしたのかも知れないけど、現在の流行りとか二人の声質も考慮して、甘めのデジパンクちっくな仕上がりになったんかなと。
いやー、それにしても甘いよね、声。いしかーさん似の人の声の甘さはつとに知られてた訳ですけども、中高音域でのよしざーさん似の人の声の甘さを再認識しました。今回初めて気づいた人とかも居たんじゃないかな。こう、声の伸びが良いんだよな。ストレートに伸びてくるっていうか。はろー風歌唱をほとんどしてないってのもあるだろうけど、上手いこと良いとこを引き出してもらってるよね。てか、ソロで歌ってんのを見たことある人は知ってると思うが、よしざーさん似の人って素直に歌うと割りとこんな感じだよな。変な歌い回ししなくても十分甘いよね。
それに、今までは比較的穏当な歌謡きょ、ごほん、えーっとポップで優しいノリの曲が多かったし、周りもみんなそんな感じだったからそうも思わなかったってのはあるかな。それが今回ロックっぽいわ、バンドの音を使ってるわで、逆に声の甘さっていうか優しさが際立った感じ。ミスマッチさが効果になってるというかさ。
そう、このミスマッチさってのが、このアルバムというかこのプロジェクトの一つの味になってるってのはあると思う。まあ、そもそもこの二人にゴスだのパンクだのの企画持ってくるってのがミスジャッジっぽいし。よしざーさん似の人って特に健康的なイメージ強いじゃん。それをあえて使うことで、まあ、ある種のあり得なさというか、逆に何でもありな感じを演出してるんじゃないかと。
ゴスとかって悪趣味と紙一重っていうか、そういうあざとさが良いってとこあるもんね。ぬいぐるみからのキャラもの×はろ系あいどるっちゅう二重の意味での“作り物っぽさ”ってのは狙いとしてあったと思う*1。何だろ、この世界のものではない感じって言うのかな、そういうの出したかったんじゃないかな。
ブランドが持ってるイメージと二人が持ってるイメージの齟齬を楽しむっちゅうか。そういうののねじれとか歪さを楽しむのがいいって考え方なんだろうな。それがあったから、本当はアクセル踏み抜いてガガーッとパンキッシュに寄り切れたかも知れないところを、わざと踏む力弱めて手前で止めたんじゃないかな。ワザとチープにしたというか。だから歌詞が中二っぽいのも、ギミックや音の作りが甘いのも仕様な気がする*2。というか、狙いだな。とにかくお互いのカテゴリの縛りからちょっと抜け出したとこの何かを作りたかったんだろうなと。
まあ、こういう作り方すると聞いた人の好みの差ってのは出てくるとは思うけどね。お互いの分野で。自分的にもどうせならもっとガツガツRockしてるよしざーさん似の人ってのも見たかった気がする。こうもうちょっとストレートにアクセル踏んで欲しかったっていうか。その辺は生でライブってことになれば解消されるかな。ライブ番長の意気込みやいかに(笑)
いや、真面目な話、普段とは違う段取りで普段とは違うスタッフと普段とは違う歌い方で勝負するっていうのは、それだけで一つのチャレンジだと思うんだよね。
しかも、アウェイでゲスト的な扱いでh&Aとしての初お目見えとなれば、まあ、ヲタさん達も大挙すると思うけど、初めてのお客さんの目にも触れる訳で。
欧米展開って言う、何だか夢のような話もあるし、これが二人にどういう影響をもたらすかっていうのはかなり興味ある。
それ以前に、デビューから8年だっけ?その間あれだけ一緒に仕事していたのに、お互いの世界に踏み入れなかったよしざーさん似の人といしかーさん似の人の関係性は変わったりするのかな?お互いの世界が交わったりすることがあるのかどうか。まあ、別に平行する二本の線のまま、線を太く濃くしていくっていうのも面白いとは思うけどね。お互いを映す鏡として。
いずれにしろ、未知数過ぎて何とも言えないな。あの強烈なビジュアルイメージもこのアルバムも一つの叩き台みたいな発言もしてたし。第一、よしざーさん似の人がこのまま大人しくディレクションされたまま終わるとは思えないんだよね。他の仕事もちゃんとやりつつも、自分なりのやり方でハンさんを換骨奪胎していくんじゃないかな。何か実はそっちの方を期待してたりして(笑)
ま、聞けば分かるような感想だけども、一応こんなんで終わっとくか。てか、やっぱハンさんアンさんは東京行かなきゃ見れないんだろうか。海外ツアーもいいが出来たら支店のある関西でもお披露目やって欲しいな。しょーじき、あのお客さん達に混じって見るのに、東京行くのはしのびねーっすよ。へい。

*1:非日常的という意味と、普段見えてる部分以外のとこの方が多いという意味で。

*2:ま、若干プロデューサーの人の音の好みって気がしないでもない。それまで関わったバンドとか見てると。